いなくなるその前に

今日担任から、うちのクラスのYちゃんが12月いっぱいで引っ越す事を、クラス全員に伝えられました。
オレと彼女は結構仲が良く、当然とても寂しいです。
でも、とても寂しくなるのには特別な理由もあるんです。
おそらく彼女とはもう一生会えません。
何故なら転校先が「韓国」だからです。
日本国内での普通の転校ならば、会う事だって文通する事だってメールする事だって出来ます。
だけど転校先は韓国。いくら近いとはいえ、外国は外国なんです。
会う事は難しいですし、手紙を送るのだって大変です。メールだって出来ません。
彼女との繋がりが無くなってしまいます。
それがとても悲しいです。


今から3年半以上前、日韓共催のワールドカップがあった年。
小学4年の確か2月に、彼女はオレのクラスに転入してきました。
彼女は韓国から来たばかりで、ほとんど日本語が喋れませんでした。
当然読み書きも出来なく、その年の文集には韓国語で書かれた作文が載っていたはずです。
オレは彼女の家に1度だけ遊びに行った事があります。
確か彼女が転入してきて1,2週間経った頃だと思います。
きっと彼女は覚えていないと思いますが。


小5,6,中1はクラスが違って、ほとんど喋りませんでした。
そして今年、彼女と久しぶりに同じクラスになりました。
オレは正直、凄く日本語が上達していてビックリしました。
優しい子で、喋っていて楽しいです。
しかし何故か最近、このまま日本にずっといるのかな?と漠然と考えたことがありました。
変な予感は的中してしまったようです。


彼女は12月までしか日本にいません。
あと2ヶ月もありません。
オレのことは覚えていなくても良いんです。
この町で過ごした事、日本の事を覚えていて欲しいんです。
彼女が引っ越してしまうからだけではないんですが、月曜日の合唱祭はどうしても成功させたいんです。
おそらく彼女が参加する、最後の行事なんです。
彼女はピアノ伴奏者です。
オレ達が彼女の演奏に応えなければなりません。
彼女との思い出を作りたいんです。


残りの時間、オレは今までと変わりなく、彼女と接していきたいです。
絶対にそうできるという自信はありません。
けどオレなりに頑張りたいです。


オフ友の皆さんへ。
これを読んでYちゃんが誰だか分かっても、オレら以外の人にはYちゃんが引っ越す事を言わないで下さい。